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これから不動産業を始めたい方向け!開業に向けての準備や注意点などをやさしく解説

これから不動産業を始めたい方向け!開業に向けての準備や注意点などをやさしく解説

今のご時世、何か一つの業種だけで食べていこうと思ってもなかなか上手くいかないので、元手をかけずに何か新しい事業を立ち上げたいなどを考えられている方も多いのではないでしょうか。

こちらの記事では、実際に不動産屋を経営している著者がこれから不動産業を開業したいと思われている方に向けて優しく解説していこうと思います。

開業前に知っておくことと、道を考える

一口に不動産業といっても、色々な業種や業態があります。例えば

・不動産仲介業(賃貸or売買) ・賃貸管理業 ・不動産デベロッパー
・買取再販 ・不動産コンサル など

これから不動産を始めるにあたり、お客さんを持っていない状態から始めるのであれば、一般的には仲介業からスタートすることが多いです。と、いうのも、賃貸管理業などある程度地主とのつながりがなければ、いきなり賃貸の管理を知らない不動産会社に任せてもらえるケースは少ないという事です。そういった意味で、最初は仲介からスタートし、地主とのコンタクトや取引等を増やしていきながら信頼を勝ち取り、管理業まで任せてもらえるようになるのが理想的と言えます。

賃貸管理として、早く収益を上げるには信頼をお金で買うしかないと思いますが、お金で買う具体的な方法は、不動産フランチャイズに入る事が手っ取り早いです。あなたが未経験者でも大手不動産メーカーの人間として見てもらえますし、仕事を任せてもらえる近道になることは間違いないです。

既に別の事業をされてて、お金に比較的余裕がある場合などは、買取再販やデベロッパーも良いとは思います。中古住宅やマンションを仕入れて、リフォームして再販したり、農地などを買い取って造成して分譲宅地販売したりと利益率は高いです。

ただ、不動産の目利きというのが若干必要になってきますので、
詳しい人にコンサルに入ってもらったり、アドバイスを受けるほうが良いと思います。
素人の目から見て良い物件と思って買ったものの、全然売れないなんてことはしょっちゅうある事です。詳しい人に最初は相談して下さい。

また、不動産を買い取りたいと思っても、一般的に良い物件は市場に出る前に知り合いの買取業者などに声がかかったりしますので、コネやツテがない状態では、なかなか良い物件は回ってきません。積極的に、他の不動産会社に足を運び、顔を売り、覚えてもらうことが必要です。

個人経営?それとも法人経営?

個人経営の方が、法人に比べて初期費用は安いです。設立登記や協会への入会金なども違いますので、安く始めたいのなら個人経営がお勧めです。

一般のお客様相手であれば、実際の経営の中では、「法人じゃないから御社とは取引しない」などはあまりありません。ただし、銀行取引などが絡んでくる場合は、やはり個人と法人では信用が違いますので、法人として設立する方が良いでしょう。

個人経営の場合、代表者の変更などは、いったん廃業してから再開業するイメージになります。
法人経営の場合には、代表者の変更などはあっさりできます。
もし、廃業してから再開業の場合には、免許番号の()の中の数字が1に戻ります。

()の中の数字が1になるとは?

免許の番号というのは、○○県知事(1)第1234号のような表記になります。
(1)が5年経過すると、(2)になります。この()の中の数字を見て、この会社は何年ぐらい続いてると判断されることはあります。()が1に戻ると、スタートアップの会社のように見られることもあります。

資金計画

開業する前も、開業してからも結構費用がかかります。主な必要経費の例です。

開業するのに必要な資金

・もし法人で設立するなら法人設立費用
・宅建協会、全日不動産協会への入会金や保証協会への供託金
・免許申請料
・しばらくの間のテナント賃料等
・印鑑の作成、コピー機の準備、WEB製作費など

おおよそ、400万~500万円ほどは容易しておきたいところです。
家賃がいらないケース、個人で設立の場合は約半分くらいでスタートすることもできます。

ただし、最近はアットホームなどのポータルサイト、WEBサイトからなど、インターネットからの問い合わせがほとんどですので、その場合には、ポータルサイトの月々利用料、WEBサイトの作成費も見ておかなければいけません。

WEBサイトなどのホームページは、無料で使えるものから月額5万円くらいの不動産特化型のwebサイトなどもあります。私は最初は無料のものを使っていましたが、取扱件数が増えてくると、不動産特化型のwebサイトを使用しています。

事務所を構える

不動産業の認可申請をするときに、事務所を先に構えておく必要があります。
認可申請する際に、机や椅子、電話やコピー機、商談スペース、外観などが移った写真を撮影し、届け出なければなりません。その際に、認可が下りるまで宅建業の仕事ができないのに、家賃や電話代は発生することになります。

賃貸仲介やフランチャイズに加盟する場合などは路面から見えるような立地のよい場所に事務所を構えないと、分かりにくいですが、売買仲介のようにしょっちゅうお客さんがくるような事務所でない場合には、どこでもOKです。
自宅の玄関スペースを改装してやってるなんて人もいます。ただし、専用出入り口が必要であったり、独立じた事務所スペースであるなど細かい条件はあります。

ただ、自宅の一部でやってる場合でも、ごくたまにお客さんが来たり、売買契約できてもらったりする時もあるかと思いますので、あまりみずぼらしい場所では信頼を失いかねませんので要注意です。
事務所は慎重に選んでくださいね。

専任の宅地建物取引士が1人は必要

こちらも許認可申請する際に絶対に1人は宅地建物取引士が必要となります。
個人の場合は、代表者がそのまま専任の宅建士でOKです。
法人の場合は、代表者が宅建の資格を持っていなくても、1人専任の宅建士が別にいれば問題ありません。

そして、宅建業法で定められている事ですが、1つの事務所で5人につき1人は宅建士が必要となります。この5人は営業だけではなく、事務やパートも含めます。

売買契約書や重要事項説明書などには、国家資格である宅建士が記名押印しないとだめというルールがありますので、法人の場合などで宅建士が退職などでかけた場合には、すぐに補充する必要があります。

宅地建物取引業者免許の取得申請

宅地建物取引業者免許の取得申請は、自分でやるのがとても不安だと仰る方は、行政書士の先生に依頼して代理申請してもらうという方法もありますが、そこに費用をかけなくても、宅地建物取引業協会、または全日本不動産協会へ出向き、申請に向けてアドバイスやサポートを依頼(無料)すれば、自分ひとりでできます。なので、どちらかの協会へサポートを依頼しましょう。

協会の決定

後の「営業保証金」の供託の項目でも触れますが、開業時には、宅地建物取引業協会と全日本不動産協会のどちらかの協会に所属することがほとんどです。どちらを選択するのか、それぞれメリットデメリットがありますのでじっくり検討してみてください。

宅地建物取引業協会(ハトマーク)
https://www.zentaku.or.jp/

全日本不動産協会(ウサギマーク)
https://www.zennichi.or.jp/

全国で加盟人数が多いのは、おそらく宅地建物取引業協会(ハトマーク)だと思います。
ですが、個人的にお勧めなのは、全日本不動産協会(ウサギマーク)です。
WEBサイトを見たらすぐわかりますが、全日本不動産協会の方が、WEBやシステムに力を入れています。クラウド上で売買契約や重要事項説明書が作れたりしますので、とても使いやすいです。

個人的に思うのは、宅地建物取引業協会の方が加盟人数が多いのは、不動産会社は高齢者が多いので、システムの使いやすさなどは判断材料になってないのが原因だと思っています。

実際、どちらの協会に加盟しているからといって、仕事内容が変わるわけではありませんので、全日本不動産協会の方がお勧めです。
※好き嫌いがありますので、加盟の際はじっくりと検討してください。

営業保証金の供託

本店の最寄りの供託所に営業保証金を供託して、その旨を免許庁へ届け出ます。

営業保証金は主たる事務所の場合1,000万円を供託する必要がありますが、
不動産保証協会に加入した場合は、弁財業務保証金分担金を供託することで営業保証金の代わりとすることができますので、営業保証金を大幅に減額することが可能です。

その場合の供託金は60万円となります。
支店設立の場合は1店舗ごとに30万円となります。

営業保証金の供託は宅地建物取引業法により義務付けられており、免許日から3ヶ月以内に供託の手続きを行い免許庁への届出を完了しないと、免許が取り消されてしまう場合がありますので注意が必要です。

開業

宅地建物取引業者免許の認可が降りれば、無事開業できます!
最初は、先輩不動産業者(悪い噂があるところは除く)への挨拶や、新築建売業者への挨拶などを多く増やし、物件情報を仕入れるところから始めると良いと思います。

特に新築建売業者の物件などは、重要事項説明書や売買契約書も建築メーカーが作成してくれることが多いので、重要事項説明書の書き方など勉強になることが多いです。

しかも、新築を販売できれば実入りも多いため、とてもありがたいです。
是非、販売させてもらいましょう。

さらに、宅建協会や、全日不動産協会の会合や講習会なども積極的に出れば、同業者との繋がりも増えてくると思います。ぜひ、こまめに参加してください。

ちゃんと勉強しましょう

特に最初の方にやってしまいがちなのですが、重要事項説明書の書き方などちゃんと勉強していないと、結構メチャクチャだったりします。私も昔の重要事項説明書や、売買契約書などを今見れば冷や汗が出そうなほどちゃんと書けていなかったりします。

宅建業者は、扱う金額も大きいのでトラブルも多く、責任問題を問われることもあるかと思います。
そんな時に正しい重要事項説明書や売買契約書を作成できているほど、強いものはありませんので、
宅建士の資格を取ったら終わりではなく、自分の身は自分で守るしかありませんので、日々勉強と思ってたくさんの知識を吸収するのをお勧めします。

宅建士保険にも入ろう

意外と知らない人も多いのですが、宅建協会や全日不動産協会での、宅建士向けの保険もあります。

これは、重要事項説明書がきちんと書けていなかったために損害を与えてしまった場合など、一定の内容については保証してくれるという保険です。

こういった保険は、加入しておくことをお勧めします。
トラブルになってからは入れませんので、ぜひ加入しておきましょう。

まとめ

不動産という仕事は、色々なジャンルがあります。
仲介業に始まり、仕入れ販売や賃貸管理業、不動産コンサルなどさまざまです。
闇雲に全てのジャンルに手を出すのはあまり賢いとは言えませんので、どこで勝負するかというのを決めておいた方が良いと思います。

そして、色々と開業に受けて準備するものがあったりしますが、一番分かりやすいのは宅地建物取引業協会や全日本不動産協会へ出向き、申請方法や準備するものを詳しくサポートしてもらうのが良いと思います。
最後に、宅建業免許を取ってからが勝負ですので、ぜひ頑張っていきましょう。