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不動産購入申込書(買付証明書)の書き方・記入すべき事項、効力は?撤回は?詳しく解説

不動産購入申込書(買付証明書)の書き方・記入すべき事項、効力は?撤回は?詳しく解説

今回は、不動産を購入する時に、買主が売主に提出すべき不動産購入申込書(買付証明書)について詳しく解説していきたいと思います。これから不動産を購入されようと思われてる方は是非、見ていってくださいね!

不動産購入申込書とは

不動産購入申込書(買付証明書)とは、不動産を購入しようとするときに、買主が売主に対して、「この不動産をこの条件で買いたい」と申込・証明するものです。

つまり、その申込書には、買主の希望条件なども書かれている訳ですので、その申込書を買いたら「はい、決まり〜!」という訳ではなく、正式な手続きでいうならば、反対に売主から「売渡承諾書」を交付してもらって、「はい、決まり〜!」ということになります。

売主からOKが出るまでは、ただの買主による意思表示にすぎません。

仮に3,000万円で売りに出ている物件を、「2,500万円だったら買うよ!」という内容ですので、
買主が購入申込書を書いたら決まり!ではないことがお分かりになると思います。

あまりにも条件が厳しいケースだと、売主から拒否されますのでご注意です。

不動産購入申込書の記入すべき事項

全日本不動産協会が雛形として用意しているのを見ると、基本的な記入事項は至ってシンプルです。記入すべき事項もそんなに多くはありません。1つ1つみていきましょう。

不動産の表示

当たり前ですが、どの不動産を購入するのかを表示してある必要があります。
住所などが基本的な事項です。

土地の場合

土地の面積、地目などを記載します。不動産仲介会社を経由して不動産を購入する場合には、こういった内容はあらかじめ不動産業者が記入してあると思います。細かく内容を記入する場合には、他の不動産と間違えないようにするためだけです。

建物の場合

建物も同様に、面積や構造(木造2階建やRC造など)、間取り等の基本的な事を記入します。

購入条件

前述したように、「いくらだったら買います」「売主が建物解体してくれたら買います」「エアコンを付けてくれたら買います」のように、買主が希望の条件を付けて、明確に意思表示することが必要です。

購入金額

具体的な金額を記入します。ただし、3,000万円の物件を「1,500万円だったら買います」など大幅な値下げ額を記入しても、仲介会社は売主には伝えないこともあります。売主は「2,500万円までだったら値下げしても良いかな」と仮に思っていた場合に、極端に安い金額を提示されると、不動産会社に対して「こんな値下げではダメに決まってるだろ!もうお宅には任せない!」と怒り出すケースもよくあります。

ですので、安すぎる金額を買いても、仲介会社は売主に交渉してくれないケースが多いということを覚えて位おきましょう。

手付金の提示

不動産購入申込書を提出するときにはお金を用意する必要はありませんが、売買契約時に手付金をいくら支払いたいという条件を記載します。おおよそ売買価格の1割ほどが多い気がしますが、具体的に決まりはありません。

建築会社の建売などを購入する場合や、不動産会社によっては、「申込金」というのが必要になる場合もあります。例えば、3万円などを支払って申し込みをするのですが、契約に進まなければ返金されます。契約に進んだときには、売買価格の一部として充当されることが多いです。

融資特約の有無

融資特約とは、仮に売買契約まで結んだとしても、その後に住宅ローンなどの融資が通らなかった場合には、この売買契約は白紙に戻しますという特約になります。

この特約がなければ、買主は住宅ローンが通らなければ、現金で支払ってください」ということになりかねませんので、住宅ローンなど銀行融資で不動産を購入する場合には大抵はこの融資特約「有り」という設定にしています。

それに伴って、どこの金融機関で借り入れるのか?を記載するケースもあります。
その場合には、具体的に金融機関1行または数行を記載します。

購入申込者

どこの」「誰が」この不動産を購入するのかを記入します。
つまり、購入希望者の住所、指名などを記入します。
全日本不動産協会の雛形では、住所と名前だけで、「印」も必要ありませんが、各不動産会社や建築会社のオリジナルの購入申込書などは、その他色々な情報を記入するものもあります。

例えば、購入者の職業・会社名、会社の住所、会社の電話番号、会社の資本金、会社の従業員など会社の情報についてであったり、本人の年収、家族構成、現在住んでいる家は持ち家なのか賃貸なのか、配偶者や子供がいるのかまで不動産購入申込書の記載事項の場合もあります。

会社の内容などは、不動産会社や建築会社が連絡するものではなく、住宅ローンが問題なさそうか?などの判断材料にする程度なので、あまり気にせず記入しても問題ありません。

その他の記載事項

例えば、売買契約日に希望がある場合、引き渡しや決済日に希望がある場合などを記入する場合もあります。
購入申込書を記入して、売買契約をするまでにそれほど長い時間はかけません。売買契約は、売主買主双方にとって早めに確実にしたいため、急ぎたいのが本音です。

実務においては、不動産会社が重要事項説明書と売買契約書が作成できれば売買契約に進むのが多いですが、おおよそ1週間〜2週間後が多いと思います。中には、2〜3日後とかのケースもありますので、一概には言えませんが、売主・買主・仲介会社それぞれ、その契約を確実なものにしたいため早めに行うのが一般的だということだけ覚えておきましょう。

さらに、住宅ローンなどを組む場合に必要となる、「病気や基礎疾患の有無」を記載する購入申込書もあったりします。

不動産購入申込書提出後のキャンセルは可能か?

民法で言うところの「契約」と言うのは、購入者が「買います」と言って、売主が「売ります」と言った時点で契約が成立し、契約は取り消せなくなります。

ただ、不動産売買においては、売買契約書を作成し、記名押印するまでは購入希望者はキャンセルできます
申し込み金などを支払っている場合には全額返金してもらえます

そして、売主・買主双方に違約金なども発生しませんし、不動産会社に対して仲介手数料を支払うこともありません。ただし、売買契約書締結後は違約金も発生しますし、仲介手数料も発生するのでご注意ください。

まとめ

不動産購入申込書は、基本的な事項で言えば、「どこの」「誰が」「どの不動産を」「いくらで」「こういった条件で」買います。と言う内容であれば効力を有します。

本人の年収や勤務先、病気の有無などは、売買契約をスムーズに進めるための付随した内容と言うだけです。年収がわかれば、融資を受ける際に、この住宅が買えるのか買えないのかが判断できますし、勤務先や職種が分かればその判断も正確なものになります。申込書に書きたくない内容は書かなくても大丈夫ですが、早めに全て買いておくことで無駄が省かれますので記入をお勧めします。

不動産売買契約までは購入申込書を記載して提出してもキャンセルできますし、申し込み金なども返金されます。売買契約後はキャンセルできないのだけしっかり覚えておいてくださいね。

あまり厳しすぎる条件では、売主が怒り出して、最悪売ってくれないと言うケースもあるので、不動産会社にいくらくらいで購入金額を記載すれば良いかを相談してみてくださいね。