土地の隣人が境界の立会に立ち会ってくれないとき、取るべき方法は?
土地の売買などをおこなうとき、売主は買主にたいして土地の境界を明示しなければなりません。
境界の明示というのは、「ここからここまでが売買対象の土地ですよ」と買主に示す行為をいいます。
その境界の明示のためには、隣地不動産所有者と境界について立会を行い、境界位置をはっきりと決めるのが一般的ではありますが、もし、その隣人が境界の立会について立会いを拒否してきたらどうするのか?
この記事では、その場合にどういった対処法があるのかを解説できればと思います。
もし境界の確認に立ち会ってくれない場合
お隣の土地の所有者の方が話して分かる方なら、なぜ境界確定・確認が必要なのか、これをしなかった場合だれが困るのか、誰がトラブルになるのかなどを説明します。
話の分かる方なら、これで大概は納得してくれますが、そうでない場合には、法務局に対して行う筆界特定の申請をする方法、又は裁判所へ境界確定の訴えをすることになります。
隣人を説得してみる方法
ずばり、お隣の方になぜ境界の確認に立ち会ってもらえないのか聞いてみましょう。
ほとんどのケースでは、以下のような原因があります。
- 隣地の方も正しい境界位置が分かっておらず、自分が決めるのが怖い、騙されるんじゃないか。
- お互いに主張している境界位置が違う。
- 仲が悪い
実際の実務でも多いのは、一つ目の隣人の方も正しい境界位置が分からず、自分の代でそのあいまいさをハッキリさせることが怖いというのが多い気がします。
間違ってたら不安・・・というような場合ですね。こういった方は不動産屋の話は信じないけれど土地家屋調査士の資格者なら信じるというような事もしばしばあります。不動産屋としては悲しい・・。
具体的にどういったアプローチをするかと言いますと、境界の確認というのは、売主が買主に不動産を販売した後、境界でもめるのは買主と隣地所有者であること。
「あなたが揉める当事者になるんですよ」という事をしっかり説明し、「トラブルにならないためにしっかりと正しい境界位置を決めませんか?」という提案を行うと良いと思います。
裁判所への境界確定の訴え
隣地所有者への説得が不調に終わった時に、通常は筆界特定の制度へ移行しますが、それを行わずいきなり裁判所への境界確定の訴えという方法もあります。
この裁判では、お互いに自分が主張する境界を裏付ける資料の提出が必要になったりもしますが、裁判所はそれに拘束されません。
裁判所は「決められない」とは言えず「ここを境界にします!」と言って必ず境界を決めてくれます。紛争の解決のためには決めるのが一番!という訳ですね。
ただし、この方法は期間が長くなるという以外に、弁護士費用や訴訟費用もかかるので高くなります。
法務局への筆界特定制度
実際には、こちらの筆界特定制度が多くなると思われます。
筆界特定制度は、境界の争いがある場合に当事者の申し立てによって筆界確定登記官が筆界を特定する制度です。その特定のために、筆界調査委員が指定され調査にあたります。
こちらの制度は裁判ほどは長くはありませんが、それでも半年~1年くらいはかかるとみておいた方が良いでしょう。
費用は、当然訴訟に比べたら圧倒的に安いです。
まとめ
不動産の売買を行う時には、売主は買主に対して境界の明示が必要です。
そのために、境界確認や境界確定などで隣地所有者に立ち会ってもらう必要があります。
その立会を拒否されたとき、売主がとるべき道は3つ!
- 隣人を説得する
- 境界確定訴訟
- 筆界特定制度
他にも、買主が境界が不明という事で納得をしており、売買契約書にもその旨を記載しておくなどの対処により、費用や期間をかけずに売却する方法もあります。
詳しくは不動産会社に問い合わせてみてくださいね!