不動産売買

不動産の所有者が亡くなっている場合、売買における不動産の移転登記はどうする?

売主が亡くなっているときの移転登記

不動産の所有者が亡くなっている場合、売買における不動産の移転登記はどうする?

亡くなった親の名義のまま所有している不動産を売却したいとき、どのような手続きが必要なのか今回の記事でご説明していきたいと思います。

不動産の登記名義人が亡くなっている場合、または親が不動産を売却した後に亡くなり、移転登記もまだしていないといった方に読んでいただければと思います。

不動産を売りたい時、不動産の登記名義人が亡くなっているとき、そのまま買主に不動産の移転登記をしても良いのか?という疑問があります。

これについて2つのパターンに分かれます。

  • 登記名義人が亡くなっている不動産を売却したいとき
  • 登記名義人が売却した後、移転登記をする前に亡くなったとき

それぞれのパターンで、実は内容が異なります。

登記名義人が亡くなっている不動産を売却したいとき

もし、亡くなった親や祖父母の名義のままの不動産を売却したいときには、売却する前に必ず遺産分割協議が必要となります。

遺産分割協議をおこなった後、その遺産分割であらたな権利者となった相続人へと一旦、名義を変更しなければなりません。

これを俗に「相続登記」と呼んでいます。

このように移転登記を行います。
亡くなった親や祖父母 相続人 買主

これは不動産を”売った”のは相続人であり、亡くなった祖父母ではありません。
ですので、不動産の権利変動をちゃんと表すには一旦、売りたい相続人へと名義変更が必要となります。

遺産分割協議は、揉めると不動産を売却できない!なんてことにもなるかもしれませんので、売却する予定がなくても早めに相続登記は行っておく方が良いです。

相続登記の義務化

今まで、相続登記というのは義務ではなかったのですが、2021年4月に相続登記を義務化する法案が可決されました。

この法案の内容では、この相続登記を怠った場合の過料なども定められていますので、今後は相続登記が進んでいくと思われます。

そうすると、 登記名義人が亡くなっている不動産を売却したいときという問題は少なくなっていくと思われます。

この法案は2024年までに施工されるとの事です。

登記名義人が売却した後、移転登記をする前に亡くなったとき

亡くなった親や祖父母がどなたかに不動産を売却した後、買主へと不動産の移転登記をする前に亡くなってしまったときには、ここでは遺産分割協議は必要ありません。

つまり、亡くなった親や祖父母の名義のまま、新しい買主名義へと移転登記する事が可能です。

亡くなった親や祖父母 → 買主

これは、不動産を”売った”のは、あくまでも親や祖父母であり、相続人はその手伝いをしているだけだからというイメージです。

ですので、亡くなった親や祖父母名義のまま不動産を買主へとそのまま移転登記できるわけです。

まとめ

不動産の名義人が既に亡くなっているとき、または売却した後に移転登記する前に亡くなった場合によって方法が異なります。

既に亡くなっているときには、遺産分割協議を経て相続登記を行い、相続人に対して一旦名義変更をしてから新たな買主へと移転するというプロセスです。

売却したの後に亡くなった場合においては、遺産分割協議を行わずとも、亡くなった登記名義人のまま買主へと移転登記ができるのでラクチンですね!

是非ご参考になさってください。