不動産売買

買った土地の面積が契約書の面積と違う!?売買契約書の公簿面積と実測面積について解説!

公簿取引と実測取引

買った土地の面積が契約書の面積と違う!?売買契約書の公簿面積と実測面積について解説!

高額なお金を出費して買った土地が、購入後に実際に測ってみたら売買契約書に記載されている面積よりもかなり小さい!?なんてことが実務ではよくあります。

大抵は不動産会社がちゃんと説明すれば解決するはずなのですが、それを怠ったために買主が原因が分からずに、「騙された!?」となってしまうケースがあります。

ですが、本当はちゃんと理由があります。
今回は、そのような売買契約書の土地面積と実測面積の差がある理由についてお伝えします。

公簿面積と実測面積

不動産を売買するにあたって、売買代金を決めるとき、何を対象に金額を決めているかという事です。それは、以下のようなパターンがあります。

  • 登記簿謄本に書いてある面積(公簿面積)を対象に金額を決める
  • 実測して、その面積を基に金額を決める(実測面積

上記2つによって決めていくのですが、ここでは、それぞれについて解説します。

公簿面積とは

公簿面積とは、土地の登記簿謄本に記載された面積です。

登記簿謄本に記載された面積というのは、正確な場合とそうではない場合があります。
というのも、昔は正確な機材などがなかったため縄で測っていたころの正確ではない数値が記載されているケースもあります。
最近では、国土調査などで隣家と立会を行い、正確な面積が記載されているケースなどもあり、時期などによっても様々です。

また、土地面積を土地家屋調査士によって正確に測量されていても、実際の面積が登記簿面積より大きかった場合、登記簿の面積を修正しないというようなケースもあります。理由は固定資産税があがるからだと思います。

公簿取引の場合には、買主が不動産を購入後に測ってみると土地の面積が小さかった場合や逆に大きかった場合でも代金の清算をしません。

売買契約書にはこのように記載されています。

(売買対象面積)
第4条 売主、買主は、本物件の売買対象面積は、土地については表記土地面積と、建物については表記建物面積とし、同面積が測量等による面積と差異が生じた場合であっても、互いに異議を申し出ず、売買代金の変更、本契約の解除、損害賠償の請求その他何らの請求もしないものとします。

つまり、登記簿に記載された面積が対象面積となり、後に面積が増えても減っても一切お互いに文句も言わず、何の請求もしませんよというのが「公簿面積による取引」となります。

実測面積とは

実測面積とは、正確に測量を行い、正しい境界位置による正しい面積となります。

不動産売買契約の時に、1㎡あたりいくら、坪単価いくらというように単価を決めておき、残代金支払いの時に調整するものを言います。

例えば、公簿面積が60坪の場合、売買契約時に1坪あたり50万円と決めておき、売買契約時点では売買代金は3,000万円ですが、実際に測量したところ、55坪しかなかった場合には、55坪×50万円で2,750万円、逆に65坪あった場合には65坪×50万円で3,250万円となります。

公簿面積と実測面積、どっちを選ぶのか?

不動産売買を行う時には、重要事項説明書などで、以下のようにどちらかに決まります。

通常の個人間売買(売主も買主も個人)というケースでは、「公簿」面積による取引が多いように思います。

売主が宅建業者や、分譲業者の場合には絶対ではありませんが、境界確定を行うことが多く、実測した面積を売買契約前に既に測っていることが多いです。
ですので、実測面積のケースも多いです。

宅地建物取引業者の責任

「公簿面積による取引」と「実測面積による取引」を大体わかっていただいたかと思います。

そのような中で買主が後から実測した場合に実際よりもかなり面積が小さかった場合、宅地建物業者の責任を追及できるのでしょうか?

実は、ちゃんと説明しなかった宅地建物取引業者の責任というのは、基本的には責任は問われません。

公簿上の面積より通常の面積が少ないことはよくある事でありますし、土地を買う人が現地を見ないで売買するなんてことはありえないことだからです。

ただし、この面積の相違が対象地全体の中で大きな割合をしめ、しかもそのことを不動産業者が知っていながら買主に告げなかったという場合には「重要な事項について、故意に事実を告げず、または不実の事を告げた」という事で行政処分を受けることもありえます。

ですが、買主が不動産業者が知っていただろ!というのを証明するのは難しいです。
ですので、不動産業者の責任追及をするのは難しいという事です。

まとめ

土地の面積が契約書に記載された面積より小さいことはよくある事です。

それは、ほとんどの取引が「公簿面積による取引」が前提のため、不動産登記簿に記載された面積によって売買代金を決めているという事だからです。

その公簿面積による取引というのは、買主が後に実測したとして、その時に面積が増えても減っても売主・買主はお互いに文句を言わないという契約です。

これらの事を契約時に不動産業者にしっかりと説明を受けていれば、トラブルも減らせるだろうなという思いです。

これから不動産を買われる方はチェックしてみてくださいね。