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不動産売買契約時の手付金について、相場や頭金との違いについて解説

不動産売買契約時の手付金について、相場や頭金との違いについて解説

今回の記事では、不動産売買契約時に支払われる手付金について解説していこうと思います。

不動産売買契約の時には、一般的に買主から売主へ手付金が支払われることが多いです。

その手付金について相場や頭金との違いを深堀します。

手付金とは

不動産売買契約の時、買主から売主へ支払う金額です。


まずは、全日本不動産協会が定義している文書を見てみます。

後に簡単に要約します。

手付金とは、売買契約が結ばれた際に相手方の債務不履行の有無を問わず解約権を認める目的のため、あるいは相手方に相手方に債務不履行があった場合には損害賠償もしくは違約金として買主から売主に対して支払われる金額です。手付金を支払っても売買代金の一部を支払ったことにはなりませんが、契約時に「手付金は、残代金支払い時に売買代金の一部に充当する」などと定められて売買代金の一部に充当されることが一般的です。
 また、不動産の売買は契約後一定期間が経過した後に残代金の支払い・引き渡しが行われることが多いことから、その間の法律関係を安定させる意味を含めて契約時に買主が売主に一定の金銭を手付金として支払う慣習があり、その手付金の授受には契約の成立を表す意味合いがあります。

不動産保証協会WEBサイトより引用

以上の文書を砕いていうと、

手付金とは、売買の相手方が約束を守ったか守ってないかは関係なく、一定の期間であれば契約を解除をするための手段としての目的で支払われます。

手付解除

手付解除とは、契約の相手方が履行に着手するまでの間(実際は売買契約書の記載の期日まで)であれば、手付解除をすることができます。

■売主都合による解除
 売主の都合によって契約を解除したいという場合には、受け取った手付金の倍額を支払えば契約を解除できます。

■買主都合による解除
 買主の都合によって契約を解除したいという場合には、支払った手付金を放棄すれば契約を解除できます。

不動産売買契約を行ったものの、どうしても契約を解除せざるをえなくなった場合など、手付金の放棄や倍返しなどで解除できます。

そして、手付金は大体の不動産売買契約においては、売買代金に充当されるというのが一般的です。

売買契約書にはこのような文言が記載されていることが多いです。

手付金は、表記残代金支払いのときに、売買代金の一部に無利息にて充当します。

また、手付金の意味として、証約手付という考え方もあり、手付金を買主が支払い、売主が受領することで、明確な意思表示をしたという意味合いになります。

これはあくまで考え方ですので、本来はその明確な意思表示のために売買契約書を作成します。

手付金のない契約について

売買契約の形は自由ですので、手付金を支払わないという契約も可能です。

ただし、注意点として、本来は売買契約というのは契約を解除する事ができません。
契約を解除しようと思えば違約金や損害賠償が発生することもあります。


ですが、前述したように手付金というのは一定期間であれば手付金の放棄や倍返しの範囲内で契約を解除できるという性質をもっています。

この手付金がなかったらどうなるでしょう。契約を解除したかったら違約金が発生します。

一般的に違約金は売買代金の20%相当と定められることが多いので、場合によっては数百万円単位になってくることがありますので、注意が必要です。

そういった意味でも、手付金は保険の意味合いとして支払う方がおすすめとなります。

手付金の相場

特に定めというのはありませんが、一般的に売買代金の5%~10%になることがおおいようです。

ただし、手付金は契約時に現金で支払うことになるため、諸費用も含めたフルローンで住宅ローンを組みたいような場合には、手付金の額は建築会社や不動産会社と「相談」することになります。

また、あまりにも多くの額を定めるのも、売主による使い込みなどで手付金が返還されないなどのトラブルになるケースもありますので、注意が必要です。

売主が不動産業者の場合

売主が宅地建物取引業者などの場合には、手付金は売買代金の20%を超える受領をしてはいけません。

■宅建業法39条
宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に際して、代金の額の十分の二を超える額の手付を受領する事ができない。

さらに、売主が宅建業者の場合には、契約書に期日を定めていても、買主に不利となる契約は無効です。宅建業者が履行に着手するまではいつでも解約できます。

頭金との違いについて

頭金と手付金の違いとは何でしょうか?

それは、頭金には前述したような解約できるという性質は含まれていません。
あくまでも、残代金の一部前払いにすぎません。

同じように、ローンを組まずに現金で支払うお金という事になります。

まとめ

手付金は、契約を証するために買主から売主へ支払われます。

一定の期日であれば、契約を解除できるという性質をもち、売主都合の手付倍返し、買主都合の手付放棄により契約を解除することが可能です。

ただし、相手方が履行に着手するまで(売買契約書の手付解除期日まで)となります。

相場としては一般的に売買代金の5%~10%ほどとなり、あまりにも高額な手付金は手付金が返還されないなどのトラブルもありますので注意が必要となります。

また、売主が宅建業者などの場合にはまた違う規制もありますので、十分にご確認くださいね。